住居を購入する際によく議論に上がるのが、「マンション」か「一軒家」のどっちにするかという二択。
集合住宅を意味するマンションに対し、一軒家とは他の家と独立した一戸建てや戸建て住宅を指します。
今回は「マンション」と「一軒家」の違いを分かりやすく解説します。
両者は価格はもちろん、広さや設備、近隣住民の方との関わり方まで、様々な違いがありますが、選ぶ際の一番の決め手はやはりライフスタイルではないかと思います。
あなたの家族構成や希望する暮らし方、条件、ご予算などと照らし合わせながら、どちらがいいか検討してみてください。
構造や耐久性ではマンションにメリット
マンションと一軒家の一番大きな違いは建物の構造。
マンションは一般的に「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨鉄筋コンクリート造」、一軒家(一戸建て)は「木造」で建てられることが主流となっています。
耐用年数を比較すると、税法的には鉄筋コンクリートのマンションで47年、木造住宅の一軒家で22年と、その差は2倍以上。ただしこの年数しか住めないという訳ではなく、どちらも定期的なメンテナンスにより長く住み続けることが可能です。
設備で違いが大きいのが共有部分
マンションと一軒家を比較すると、設備面で大きな違いが出るのは共有部分。
オートロックやコミュニティスペース、宅配ボックス、高速インターネットなど、マンションは共有の設備面が充実していることが多くあります。これらは居住者が誰でも利用でき、生活が快適になる設備が揃っています。
共有部分の多くは一階にあるので、防犯への対策も徹底しています。エントランスや駐車場は常時施錠され、監視カメラなどのセキュリティをシステムで導入しており、警備会社が24時間体制で管理しています。
住居内の住み心地については大きな差はなく、システムキッチンや24時間換気、浴室乾燥機といった設備が一般的となっています。ただ一軒家の場合はソーラーパネルや追加したい設備を自由に取り入れることができ、さらに注文住宅になると設備や仕様を選べるなどのメリットがあります。
またマンションにはエントランスやエレベーター、廊下などみんなで使う設備(共有施設)が必ずあるため、その設備を維持管理するための管理費や大規模な修繕に備えた修繕積立金が発生します。
対して一軒家には共有施設に当たる部分がなく、家もお庭もすべて専有施設なので決まった管理費というものがありません。必要に応じてオーナーが自分で費用を出しメンテナンスすることになります。
近隣住民との関わり方に大きな違いはない
分譲マンションには「管理組合」というマンションを管理する組合があり、加入が義務付けられています。
反対に一軒家の場合は自治会や町内会といった組織には任意加入。しかし地域によっては加入していないとゴミ集積所が利用できない場合もあるうえ、当番制で管理するケースもあるので注意が必要です。
どちらもルールやマナーを守らないと、近隣住民とのトラブルになることも考えられます。マンションごと、地域ごとのルールを守りつつ、円滑なコミュニケーションを心がけることが大切です。
税金面はどちらが得というものはない
住宅を購入すると、「固定資産税」と「都市計画税」の支払いが毎年課せられます。(毎年1月1日時点で不動産を所有している場合)
課税対象額は、自治体が3年ごとに見直している「固定資産税評価額」を基準に計算され、この計算方法は一軒家とマンションで同じです。
マンションと一軒家で異なる点は、1点目が軽減措置。200㎡以下の住宅用の土地に対しては課税標準額が6分の1に軽減されます。
軽減の内容は同じですが、土地に関してはマンションの場合、1人当たりの土地の割合が少ないため税金が相対的に低くなる可能性があります。
建物についても、新築であれば2分の1の軽減措置があり、この期間が一軒家は3年間、マンションは5年間となります。
2点目の違いが固定資産税評価額。これは減価償却も影響しており、マンションは47年ゆっくり減っていきますが、一軒家は22年と早く減少します。
長期的な視点から見ると、一軒家の方が固定資産税が安くなる可能性があります。
防災ではマンションにも意外な盲点
地震や大雨など自然災害が増えているため、防災面の違いも重要な検討材料。
構造面で考えると、鉄筋コンクリートのマンションと木造住宅の一軒家を比べるとマンションの方が強固な建物と考えられます。
さらに最近のマンションは制震装置や免震装置といった、地震対策をされている物件も増えています。
ただ、大規模な雨で被害を受けたタワーマンションが、電気機能の停止により困っている様子をニュースで見たという方も多いのではないでしょうか。
大切なのはマンションと一軒家、リスクを考えたうえで購入し、対策をしっかりと講じることです。
一軒家ならではの二階問題
戸建のオーナー様からよく聞くのが「子どもが独立して出て行った後、二階の部屋を使っていない」という声です。
階段の昇り降りは年齢を重ねるごとに負担が増していくため、二階が物置になるか盆暮れに使うだけのパターンが多くなるようです。
マンションの場合、家の中は平屋と同じフラットな間取りなので移動が楽なメリットがあり、余ったお部屋も活用しやすいかもしれません。
地方都市中心部の新築マンションでは、立地的な利便性とフラットフロアの安心感を求めてシニア層が郊外の戸建から住み替える例が増えているそうです。
マンションと一軒家の違いまとめ
マンションと一軒家の違いをご紹介してきましたが、メリット・デメリットはそれぞれ異なります。
どちらかが優れているということではなく、大切なのはどちらが家族の希望する暮らし方にフィットしているかです。
例えば夫婦共働き世帯であれば通勤の利便性が高い駅に近いマンション、小さいお子さんがいらっしゃる家庭であれば騒音を気にすることのない一軒家、長く住み続けることを考えればエレベーターがあり近くにスーパーがあるマンションなど、家族構成やライフスタイルで選ぶことが大切です。
購入の前に自分たちがマイホームに対して何に価値を置くかを考え、その点を重点的に検討してみるのもいいかもしれません。
※掲載のCGは図面を基に描き起こしたもので、実際とは多少異なる場合があります。※掲載の写真は弊社モデルルームを撮影したものです。