
新築マンションを購入する際、間取りやインテリアを変更できるのか興味を持つ人は多いと思います。
「自分の理想の空間を作りたい!」という願いを叶えるために、新築マンションはどこまで自由にリフォームできるのでしょうか?
この記事では、間取りやインテリアの変更方法について、5段階に分けて紹介していきます。
結論を先に申しますと新築マンションでも間取りやインテリアが変更可能です。
しかも無償で可能な変更範囲がかなり広く、有償の変更についても少額なものから豊富に用意されています。
新築マンションの楽しみ方の一つである「自分好みに変えられる自由」にワクワクしながら、お読みいただければ幸いです。
ステップ1:基本プランでタイプ別の特徴を理解する
最初のステップは、タイプごとの基本プラン(間取り図)をよく見て特徴を理解することです。
マンションの間取りは通常、Aから始まるアルファベットでタイプ名がついています。その中に2LDK、3LDK、4LDK、中住戸、角住戸など、さまざまなバリエーションが用意されているので、基本プランを見比べてタイプごとの主な特徴を理解しておくと役に立ちます。
2LDK基本プランの特徴

2LDKは、主に単身者や夫婦、少人数家族に人気の間取りです。リビング・ダイニング・キッチン(LDK)が1つと、2つの居室が配置されているのが特徴です。限られた空間を有効活用するため、リビングの一部をワークスペースとして利用するなど、工夫次第で快適な生活空間が実現できます。主に中住戸に配置され、60㎡前後の専有面積を有するタイプが多くあります。
ちなみにMBはメーターボックス、PSはパイプスペースの略。青い記号は凡例(はんれい)と言い、照明器具やコンセントなどの設備の位置を示しています。
3LDK基本プランの特徴

3LDKは、一般的な家族向けの間取りです。LDKに加え、3つの居室があるため、子ども部屋やゲストルームを確保しやすいです。また、間取りによっては一部屋を趣味の部屋として使うこともできます。標準的な家族構成に対応した汎用性の高い間取りです。主に中住戸に配置され、70〜75㎡前後の専有面積があります。
4LDK基本プランの特徴

4LDKは、より多くの家族や広い空間を求める方に最適です。LDKと4つの居室があり、それぞれのプライバシーが保てるのが特徴です。大家族や二世帯住宅としても利用しやすく、居住空間にゆとりを持たせた生活が送れます。専有面積は80㎡以上となり、角住戸に多く配置されるので採光に優れています。
基本プランは非常に完成度が高く、最もバランスに優れた間取りなので、特に不満がなければ変える必要はありません。また後ほど紹介するオプションを利用すれば、基本プランのまま住まいをグレードアップが可能です。
ステップ2:メニュープランでお得に間取りを変更する
基本プランを十分に検討したら、次は「メニュープラン」を活用して、より自分好みの間取りを検討してみましょう。
メニュープランは、マンション購入時に利用できる無償のサービスで、基本プランの一部を変更した間取りがあらかじめ数種類用意されているもの。
購入者はその中からお好みのプランを選ぶことができます。
基本プランからメニュープランへ


リビングを広くするプラン
リビングをより広く使いたいご家族向けに、隣接する部屋の壁を取り払いリビングと一体化した間取り。これにより、家族が集まりやすく、おしゃれで開放的な空間が生まれます。小さなお子様がいる家庭や、ホームパーティーをよく開く家庭には理想的なプランです。
居室の広さを変えるプラン
主寝室を広げて大きなベッドを置きたい、あるいは洋室に大小の差をつけたいなどの要望に対応した間取り。基本プランの居室と居室の間の壁(間仕切り)の位置をずらして、片方の部屋を広くするのが一般的。
収納を変えるプラン
クローゼットをウォークインクローゼットにしたり、玄関にシューズクローゼットを追加したりして、ライフスタイルに合わせた収納を確保した間取り。収納は家の快適さを大きく左右する要素なので、賢く選びたいところです。
ステップ3:カラーセレクトでインテリアの雰囲気を決める

間取りが決まったら、次にインテリアの雰囲気をどうするかを考えます。新築マンションでは、内装のカラーセレクトができる場合が多く、これによって家全体の印象を大きく変えることが可能です。ドア、フローリング、キッチン扉面材などの色が選べます。ここでは代表的な4つのテイストについて紹介します。
カラーセレクトの例
シックテイスト
シックテイストは、ダークトーンで大人っぽい雰囲気を演出します。濃い色調のフローリングや壁紙を使うことで、落ち着きのある高級感が漂う空間を作り出せます。モダンな家具やアクセント照明との相性が良く、上質な暮らしを楽しみたい方におすすめです。
インダストリアルテイスト
インダストリアルテイストは、硬質かつ無機質な雰囲気が特徴。ブルックリンスタイルやソーホースタイルなど、鉄、コンクリート、レンガ、タイル、モノトーンなどで構成されたクールな空間をイメージしたもので、都会的な洗練された暮らしを演出します。
ナチュラルテイスト
ナチュラルテイストは、木材を基調とした暖かみのあるデザインが特徴です。フローリングや壁紙に木目を採用し、自然素材を活かしたシンプルな家具を配置することで、リラックスした心地よい空間を作り出せます。家族でのんびり過ごす空間には最適です。
ブライトテイスト
ブライトテイストは、明るく開放的な雰囲気を持つスタイルです。ホワイトやライトグレーなどの明るい色を基調にしたインテリアで、広々とした印象を与えます。光を反射しやすい素材を使うことで、部屋全体をより明るく見せ、清潔感のある生活空間を実現します。
★ステップ1~3までは追加の費用がかかりません。
ステップ1からステップ3まで紹介した内容、つまり基本プランの採用、メニュープランでのリビング・居室・収納などの変更、カラーセレクトでのインテリアの雰囲気づくりは、基本的に無償で行える変更です。これらは新築マンションの購入時に提供される標準サービスとなっています。
費用がかからないステップ1から3まででも、かなりのバリエーションの中から間取りが選べるので、自分にぴったりの住まいを選定することが可能です。
ステップ4:オプションでインテリアをグレードアップする

さらに新築マンションでは、無償の範囲でできる変更に満足できない方のために、有償オプションを用意しています。より快適で機能的な空間を作りたい方には、これらのオプションを活用することで、理想の住まいを実現できます。
手すりやスイッチの変更など少額で可能な変更から大規模なものまであり、モデルルームに行くとカタログのように一覧にまとめられているので、そこから選ぶのが一般的です。
オプションプランの例
カップボード設置
カップボードをキッチンの後方に追加することで、調理器具や食器の収納が格段に便利になります。システムキッチンのデザインと統一感を持たせながら、収納スペースを増やせる便利なオプションです。
エコカラット採用
エコカラットは、調湿機能や脱臭効果のある壁材で、室内環境を快適に保つことができます。リビングや寝室、玄関などに採用することで、デザイン性を高めながらも機能性をプラスできます。
居室の壁紙変更
標準的な壁紙に満足できない場合は、デザインや質感にこだわった壁紙を選ぶことも可能です。部屋ごとに異なるカラーやパターンを採用するなど、個性的な空間を演出することができます。
手すりやスイッチ、ドアノブ変更
日々の暮らしの中で、細かい部分にこそこだわりが表れるものです。手すりやスイッチ、ドアノブ、コンセントといったパーツは、インテリア全体に大きな影響を与えませんが、実は毎日必ず触れる重要な要素です。これらを自分好みに変更することで、生活の質を一段と引き上げることができます。
例えば、手すりをデザイン性の高いものに変更すれば、単なる実用性だけでなく、空間にアクセントを加えることが可能です。高齢者やお子様がいる家庭では、安全性も重視しつつ、インテリアに調和したものを選ぶことができます。
また、スイッチやドアノブは小さなパーツですが、毎日頻繁に使うものだからこそ、触感や操作感にこだわりたい部分です。例えば、スイッチをスタイリッシュなタッチパネル型に変更したり、ドアノブをヴィンテージ調やモダンなデザインに変更することで、家全体の雰囲気に細やかな工夫を加えることができます。
ディテールにこそセンスが光る、そんな小さなこだわりが日々の暮らしをより快適で豊かなものにしてくれるのです。
ステップ5:フルオーダー・カスタムオーダーでこだわりを実現する

さらにこだわりを追求したい場合、フルオーダーやカスタムオーダーが選択肢に入ってきます。
これらのサービスは、いわゆる別注に当たり、有償にはなりますが、まさに「世界に一つだけの家」を作り上げるための手段です。住まいを「完全オリジナル」にしたい方には、理想を形にするための絶好の機会となるでしょう。
フルオーダーの事例
造作家具を施工する

フルオーダーでは、家のサイズや用途にぴったり合った造作家具を作ることが可能です。
既製品では対応しきれないサイズやデザインの希望を叶えることができ、リビングのテレビボードや書斎のデスク、クローゼットなどをオーダーメイドで設計することで、家全体の統一感を持たせることができます。造作家具は、見た目だけでなく、機能性や使い勝手を最大限に考慮して作られるため、長く愛用できるのが特徴です。
設計変更する

メニュープランで対応できない間取りの変更も、フルオーダーでは自由にアレンジできます。
例えば、LDKの一角に書斎を設置したい場合や、納戸を趣味のコーナーにするなど、一般的な間取りでは実現できないアイディアも実現可能です。もちろん、耐震性や耐久性など、専門的な技術が求められるため、設計士との綿密な打ち合わせが必要ですが、これにより理想の家が完成します。
インテリアコーディネートを依頼する

さらに、フルオーダーではインテリア全体のコーディネートもプロに依頼できます。
自分でセレクトするのも楽しいですが、プロのコーディネーターに依頼することで、空間の使い方や色のバランス、素材の質感など、より高度な視点で提案を受けることができます。特に、個々の家具や小物を統一感のあるデザインに仕上げたい方には、このサービスがおすすめです。
家具やカーテン、照明までトータルで提案されるため、全体の統一感が保たれ、洗練された空間が出来上がります。
まとめ:自分らしい空間を作り上げる楽しさ
新築マンションの間取りやインテリアを自分好みに変えられる選択肢は、想像以上に多彩です。無料で行える基本プランの変更から、カラーセレクト、さらには有償のオプションやフルオーダーまで、様々な段階を経て「自分だけの空間」を作り上げることができます。
間取りを変えることで得られる使いやすさや、インテリアをグレードアップさせることで感じる居住の質の向上は、長く住む家にとって大きな意味を持ちます。家を単なる「住む場所」として捉えるのではなく、日々の生活を豊かに彩る空間として、より快適で個性的な住まいを実現する楽しさを味わっていただきたいです。
特に、フルオーダーやカスタムオーダーのステップでは、世界に一つだけの家を作り上げるプロセスが待っています。自分のライフスタイルや趣味、家族構成に合った空間を自由に設計し、その細部までこだわることで、真の「マイホーム」が完成します。
これから新築マンションを検討するという方は、モデルルームのインテリアなどを参考に、間取りやインテリアの変更オプションを最大限に活用して自分の理想の住まいを形にしてみてください。未来の自分の暮らしを想像しながら、家づくりの楽しさを体験してください。
間取りや設備仕様の変更は楽しみなプロセスですが、受付期限がある点にお気をつけください。これは、マンションの建設が進むに従って内装工事も計画通り始まるため、その前までに設計や材料の注文を完了しなければならないからです。
変更をお考えの場合は、販売スタッフに受付期限を確認し、早めに契約や手続きを進められるようにしておきましょう。