マンションを買うことは、多くの人にとって初めて経験することなので、マンションを買う意味を考えたりします。
また人生で最大の買い物の一つであるため、決断できない、迷う、大きなエネルギーを必要とするといったこともあります。
初めての経験に備えて情報収集し、知識としてプロセスや用語を理解し、心の準備をしておくと安心です。
ここでは、家を買う際の基本的な流れや知っておくべき用語、メリット・デメリットなどについて簡潔に解説します。
マンションを買うプロセス
1.情報収集(物件探し)
チラシや不動産サイト、不動産会社を通じて物件や施工事例の情報を集めます。
住みたいエリアや間取り、手に入れたいライフスタイルなどのイメージをふくらませます。
2.見学・内覧
気になる物件が見つかったら、実際に見学してみましょう。
間取り図や写真では分からなかった室内の雰囲気や、設備の使い勝手が体感できます。
新築マンションのように実際の建物がない場合は、モデルルームを見学して暮らしを疑似体験します。
モデルルームに行くと、そこでしか入手できない資料や情報が手に入ったり、独自のサービスが受けられたりするので検討しやすくなります。
3.予算の設定
自分がどれくらいの価格の家を買えるのかを確認しましょう。
銀行などから事前審査を受けることで、借り入れ可能な金額を知ることができます。
銀行のホームページの住宅ローンコーナーにはローンシミュレーターが設置されているので、月々の支払いを試算することもできます。
4.購入申込・契約
購入を決めたら、購入申込書を提出し、売買契約を結びます。この際、手付金が必要になることが多いです。
5.ローンの申し込み
銀行などで住宅ローンを正式に申し込みます。審査が通れば融資が実行されます。
6.引き渡し・入居
最終的な代金を支払い、物件の引き渡しを受けます。その後、引っ越しをして新居に住み始めます。
初めて聞くような不動産用語
不動産業界には専門用語がたくさんあります。「不動産」さえも専門用語ですよね。
マンション探しの中で出てくる聞きなれない用語を簡単に説明します。
■不動産(ふどうさん)
土地や建物などその土地にしっかりとくっついて容易に動かせないもの。例:建物、樹木、門塀、物置、石垣
■分譲(ぶんじょう)
不動産会社が建てたマンションを分割して譲渡することを指します。
■敷地配置図(しきちはいちず)
建物の設計を示す図面の一つ。敷地内の建物や駐車場、庭など地上の配置を示した平面図です。
その他に2階より上を示す各階平面図、建物の外観を示す立面図、間取り図などがあります。
■凡例(はんれい)
図面に付けられる説明や記号の解説を示した部分です。コンセントや照明器具、インターホン、リモコンなど。
■パース
建物の完成予想図のことです。設計段階でどのような外観や内装になるかをCGを使って立体的に示します。
正式名称はパースペクティブ。
■メニュープラン、セレクトプラン
購入者が選べる間取りや仕様の選択肢のこと。
レストランのメニューのように自分の好みに合わせて選ぶことができます。追加料金は必要ない場合がほとんど。
■オプション、カスタムプラン
別途料金が発生する追加設備や間取り変更のこと。不動産会社によって呼称が異なるので注意が必要。
■徒歩◯分
不動産では駅やバス停の近さを示すために「博多駅まで徒歩5分」など徒歩分数をよく使います。
主な換算式
徒歩1分=80m(時速4.8km)
自転車で1分=250m(時速15km)
車(一般道路)で1分=666m(時速40km)
車(都市高速)で1分=1000m(時速60km)
電車やバスは時刻表を元に所要時間を算出します。
■登記(とうき)
登記とは、不動産の所有者や権利関係を明確にするため法務局に登録することです。
不動産の所有権や万が一の場合の抵当権などの権利を公に証明するための手続きです。
■固定資産税(こていしさんぜい)
不動産を所有している人が1年に1回支払う税金です。土地や建物の評価額に基づいて算出され、市区町村に納めます。
■引き渡し(ひきわたし)
実際に物件の鍵や権利書を買主に渡すことを指します。
売買契約が成立し、代金が支払われた後に行われ、これにより買主が正式に物件の所有者となります。
■瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
売主が買主に対して負う責任のこと。物件に隠れた欠陥(瑕疵)があった場合、一定期間内であれば売主が修理や賠償を行う義務があります。
これにより、買主は予期せぬトラブルから保護されます。
家探しは長い時間と体力が必要な3つの理由
家探しは長い旅路となります。最初に説明したように多くのステップを踏む必要があり、また各ステップで思い悩むことも多々あるからです。
予算と条件の折り合いがつかない
マンション購入の場合、予算と条件のバランスで悩むことが多くあります。
希望する条件(立地、間取り、設備仕様など)の物件が支払い可能な価格で見つかるまで探すため、時間がかかることが多いです。
妥協点を見つけるのが難しく、検討に時間がかかることがあります。
将来のライフプランを考慮
購入する家は長期間住むことを前提にするため、将来の家族構成やライフスタイルの変化を考慮に入れなければなりません。
お子様の成長や親の介護、職場の変更など、将来の計画に合った物件を選ぶ必要があり、そのための検討に時間を要します。
さらに売却することまで考慮するなら、立地、方角、階数、広さ、築年数など一般的に良いとされる条件を満たす必要があるため、検討時間がさらに長引きます。
法的手続きや審査の複雑さ
購入には法的な手続きや住宅ローンの審査が必要です。
これらの手続きは時間がかかり、物件の登記や住宅ローンの申請・審査、契約書の確認など、多くのステップを踏むため、全体のプロセスが長引く原因となります。
マンションを買う意味、自由、責任
マンションを買う意味
・長く安定してその場所に住むと決めたことを意味します。
・立地や建物から利便性と効率性が手に入ることを意味します。
・返済、納税、管理など各種責任を負うことを意味します。
手に入る自由(メリット)
・ペットが飼える、現状回復義務がないなど室内の自由度が高い。
・リフォームや間取り変更が自由にできる。
・家賃が不要になり、資産として所有できる。売却も可能。
果たすべき責任(デメリット?)
・住宅ローンの返済義務。
・修繕やメンテナンスの費用や手間。
・固定資産税や火災保険の支払い。
マンションを買うのに必要な条件
・安定した収入があること。
・頭金や初期費用を用意できること。
・住宅ローンの審査に通る信用力があること。
まとめ
マンションを初めて購入する方向けの情報を紹介させていただきました。
今やファミリーだけでなく単身女性の約2人に1人(45.4%)が「マイホーム購入を検討している」時代です。そのうち7割の人が「結婚する・しないに関わらずほしいと思う」と答えているそうです。
家を買うことはとても大きな決断ですが、しっかり情報を集めた上で計画を進めれば、お気に入りの住まいを手に入れることができます。
何か疑問や質問があれば、不動産会社やファイナンシャルプランナーに相談することも一つの方法です。